第164回 ことばの研究(V)
世界的に著名なノーベル賞受賞者である分子生物学者・利根川進は、現在脳科学の分野で研究を進めている。
彼は、こころには認知・知覚・記憶・感情・意識・注目・思考・想像・創造・言語・人格形成などいろいろな機能があると考えている。(「私の脳科学講義」岩波書店 2001年)
また、利根川と同じように華麗ともいえる脳の「渦利論」という意識理論を提唱している世界的な神経内科医・中田力も言語機能を単なる脳機能のうちの一つとみなしている。
このように考えることは、こころとは何か、意識とは何なについて迫ろうとするとき、大いなる障壁となって立ちはだかる。
現在、人の脳科学が立ち遅れている大きな原因となっている。
そこで、こころのソフト機能を言語機能と考えることにしようではありませんか。