第166回 ことばの研究(X)
こころを科学すること、即ちこころとことばの関係、そしてことば獲得の機序を明らかにするべく十数年を費やした。
こころのソフトは言語機能であること。
ことばは、抽象的コミュニケーションであると同時に、ことばの基礎である話しことばは、情動的コミュニケーションにより構築されること。
情動的コミュニケーションの基礎は、親子の情動的結びつきである共感・共鳴の世界における模倣によって築かれていく。
したがって、ことばは認知的領域に属するものであると同時に、基本的には情動的領域に属するものといえる。
しかしながら、実際には今までのそのようにとらえられてこず、自閉症の本質に迫ることができなかったといえる。