第167回 ことばの研究(Y)
こころを科学すること、即ちこころとことばの関係、そしてことば獲得の機序を明らかにするべく十数年を費やした。
こころのソフトは言語機能であること。
ことばがこころをかたちづくっているということが、なかなか理解しづらいのだ。
また、ことば自体もどのようにして赤ちゃんが獲得していくのかさえ理解されていない。
赤ちゃんのことばの獲得は、ほとんど親が担っている仕事なのだが、このことも理解しづらいのだ。
赤ちゃんが生まれて、どのようにして親とコミュニケーションするのかさえ親は実のところりかいしていない。また、世界中の学者さえ理解していなかったのだ。
つい最近、赤ちゃんは産まれて直ぐおよそ32時間後から親と口の開閉・唇や舌の突出しなどを真似ごっこすることがわかったのだ。これは重要な発見である。