第168回 ことばの研究(Z)
こころを科学すること、即ちこころとことばの関係、そしてことば獲得の機序を明らかにするべく十数年を費やした。
話しことばの世界と読み書きことばの世界を私たちは区別していない。
話しことばの意識状態は、私を一人称としてみているだけである。
読み書きことばの意識とは、私を一人称と三人称が統合されたものとしてみることが可能になる。
私は私自身であると同時に、私自身として観察することもできる。
一人称と三人称の統合された意識状態で、自己分析と自己意識が初めて生じてくる。
したがって、話しことばと読み書きことば両立の意識状態を持つことが必要なのである。