第170回 ことばの研究(\)
自閉症には、ことばとは色々なことを伝えるための手段であるとの考えがない。
このような考えが生まれないのはなぜだろうか。
そもそも、生物学的にはことばとは合意的コミュニケーション相互作用で指示機能をもっていない。
もともとは、指示機能をもっていないことばが社会生活で使われる時、指示機能をもつようになるのは、人と人との結びつきが生じ、コミュニケーション相互作用としての働きが生まれるからである。
自閉症児に指示機能としてのことばが使えないのは、親子の共感が生じず合意的コミュニケーション相互作用に発展しないからである。
人と人との結びつきの基盤は、合意的コミュニケーション相互作用である。