第172回 ことばの研究(総括)
世界的に著名な学者であっても、ことばの懸念とか、ことば獲得のメカニズムについては無知である。
自己意識というものは、読み書きことばを獲得していくことによって形成されていくものである。
心理学者が自閉症児に対して提起する「空白の自己」とは自覚的自己が存在しないことである。
確かに話ことばの段階では、自覚的自己は生まれない。自覚的自己とは、読み書きことばによって生じてくるのである。
ただし、話ことばを獲得しないで、読み書きことばを獲得できない。
このような言語機能の本質さえ、私たちは認識していない。