第175回 遺伝か親の養育か
リッキング(なめる)、グルーミング(毛繕い)の頻度が高い母ラットと低い母ラットに育てられた子ラットは、どのように違うのか。
違うとすれば、ヒトにおいても同じようなことが言えるのか。
ヒトの場合、暮らしと世話をしてくれる人の行動が子どものDNAの科学的性質まで変える可能性があるのか。
遺伝子は果たして不変の宿命を負っているのか。
遺伝子とそれが脳に及ぼす影響は、想像していたより大きな可能性をもっていることが、メリーランド大学の研究によって判明した。